注: この記事は最後の方で急に投げ出します。
TL; DR
je 比較級①, desto 比較級② で “①であればあるほど②” という構文です。
語順は je 比較級 ... V, desto 比較級 V ... です。
わりとざっくりした説明
je は “それぞれ,〜ごとに”,desto は “その分” という意味があり,je ADJ による節を desto で受け直す形になっています。これは,
- wer ... V, der V ...
- wenn ... V, dann/so V ...
- das, was ...
等と類似の構文です。要するに je ADJ から始まる従属節は普通に V 後置で,desto 以降は desto V... という語順になります。
Je höher die KP des Anwenders sind, desto mehr Schaden richtet sie an.*1
▶︎ 自分の HP が高いほどその分多くのダメージを与える。
さらに言えば順番はどうでもよくて,特に ... umso 比較級, je 比較級 ... V みたいな形はけっこう頻出します。
(ここに後でいい感じの例文を持ってくる)
▶︎ (ここにいい感じの例文の和訳が入る)
さらに細かめの説明
desto は古高ドイツ語 thes thiu に遡り,thes と thiu はともに指示代名詞の属格と具格に由来します。
ここでの具格は比較の程度の差を表します。ラテン語の奪格(ablativus mensurae*2)や,現代ロシア語の на + 対格 と等価の意味になる造格などと同様に考えるとよいでしょう。
выше двумя этажами*3
▶︎ 2フロア分高く
英語の the 比較級, the 比較級 の構文で見られる the も,現代英語においては冠詞と同形ですが,指示代名詞の具格に由来する別の語です。je ADJ, desto ADJ のかわりに je ADJ, umso ADJ という表現がありますが,現代ドイツ語においては um が比較の程度の差を表せることを思い出すと desto と同じものであることがわかります。
Spülmittel um 20% günstiger!
▶︎ 食器用洗剤が20%割引!
umso, desto(と um desto)はこの構文に限らず,単独で理由を表す節(als, weil, da など)と組み合わて使うことができます。
Er las die Bücher des Schriftstellers desto lieber, als er ihn persönlich kannte.*4
▶︎ 彼は著者と個人的な知り合いだったこともあって,余計にそれらの本を好んで読んでいた。
Er ist umso mehr zu tadeln, als er die schlimmen Folgen seines Benehmens voraussehen konnte.*5
▶︎ 彼は自分の振る舞いが悪い結果につながると予想できたのだから,なおさら非難されるべきだ。
je 比較級, je 比較級
"je 比較級" の節を 2 回並べることもあります。je を受け直す代名詞がないので,語順はもちろん je 比較級 ... V, je 比較級 ... V となる……はずなんですが,je - desto の場合につられて je 比較級 ... V, je 比較級 V ... となることもあるらしい。
Je mehr man trinkt, je mehr man dürstet.
▶︎ 飲めば飲むほど喉が渇く。
ほかにも umso 比較級, umso 比較級 や desto 比較級, desto 比較級 も口語的には存在するっぽいですがよく分かりません(てきとう)